阪神・淡路大震災で失われたモノ、残されたモノ、生まれたモノ…そんな記憶を記録します。

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東日本大震災人的被害
 (2013/1/23)暫定値

  • ほとんどの情報は確定値ではなく、日々更新され発表されています。最新の正確なデータは、各出典元の機関・リンク先で確認下さい。
火葬を待つまでの間、仮埋葬として土葬されている。(宮城県石巻市
火葬を待つまでの間、仮埋葬として土葬されている。
(宮城県石巻市 2011年7月22日) [クリックで拡大]
  • 死者・行方不明者数合計
  •  
  • 死者数(直接死)
  • 死者数(関連死)
  • 行方不明者数
  • 負傷者数合計
  • 20,883人(警察庁,復興庁)[16](2013/1/23)
    [死者+行方不明+関連死]
  • 15,880人(警察庁)[16] /18,131人(消防庁)[23]
  • 2,303人(復興庁)[96],[s5](12/9/30)
  • 2,700人(警察庁)[16] /2,829人(消防庁)[23]
  • 6114人(岩手/宮城は未集計)[16]
  • 学生の死者数
  • 障害者の死者数
  • 死者年代別内訳
  • 死者死因別内訳
  • 労働災害(復旧作業中)
  • 628人(園児,児童,生徒等、教職員含)[25]
  • 約230人(行方不明含)[72]
  • 65.2%:60歳以上[86]
  • 92.5%:溺死[86]
  • 死亡:7人 / 負傷者:113人[69],[75]
  • 震災孤児/遺児
  • 震災孤児
  •  
  • 1,120人(5/31 707世帯)[92]
  • 75人(あしなが育英会)[20]
  • 201人(朝日新聞)[20c]
  • 帰宅困難者計(首都圏)
  •  
  • 帰宅断念者数
  • 遠距離徒歩帰宅者数
  • 約860万人(3/11 首都圏推定値 三菱総研)[87]
  • 約515万人(3/11 首都圏推定値 内閣府)[100]
  • 約260万人(推定)[87]
  • 約600万人(推定)[87]

    出典元

[96]被災者等の状況,復興庁,2012年

[16]平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の被害状況と警察措置,警察庁緊急災害警備本部,2013年1月23日

[23]平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)(第146報),総務省消防庁災害対策本部,2012年9月28日

[35]平成23年(2011年)東日本大震災の被害状況及び対応について(第116報),厚生労働省,2012年3月23日

[25]東日本大震災による被害情報について(第156報),文部科学省,2011年9月1日

[69]大震災復旧作業で120人死傷=労災事故、1都9県-厚労省,時事通信,2011年5月20日

[72]震災犠牲者、障害者は2倍 死亡・不明2%、内閣府推計,朝日新聞,2011年5月23日

[75]平成22年における死亡災害・重大災害発生状況等について 東日本大震災の復旧作業に関連する災害発生状況(速報値),厚生労働省労働基準局,2011年5月20日

[86]東日本大震災:死者9割超が水死 60歳以上6割,毎日新聞,2011年4月19日

[87]東日本大震災における首都圏の帰宅困難状況を踏まえた今後の帰宅困難者対策のあり方〜再現シミュレーションから見えてきた現状と課題〜,(株)三菱総合研究所,2011年6月13日

[92]東日本大地震・津波遺児1120人707世帯分析 半数が母子家庭 小学生以下の遺児最多4割 長期の物心両面ケアが必要 - あしなが育英会,2011年6月28日

[100]帰宅困難は推計515万人 内閣府、震災当日の首都圏で,共同通信,2011年11月22日

解説

    人的被害

国によるこの東日本大震災の正式な被災情報の集計・発表は、ほぼ毎日、警察庁と消防庁から行われていた(2011年5月時点)。マスメディアで報道される人的被害のほとんどは、そのうち警察庁の発表を基にしている。

しかしこの2つの発表を比較すると、そのほとんどの項目において、数値が少しずつ異なっていることがわかる。だがどちらの数字が正しいか、もしくは間違いなどと言うわけではない。数値の違いは、それぞれのデータ集計の根拠や手法が異なっているためだ。小さな災害ではこのような齟齬は見られないが、今回は規模があまりに大きいために、依然として細かい確認が追いつかないでいる。

警察庁による死者の統計発表は、各県警が集計した各地域の警察署の報告をまとめたものである。遺体が収容されると「死体取扱規則」に基づき、県警の検視や医師・歯科医師による検案が行われる。ここで身元確認や死因などが検査され、災害死であることが判断される。

一方、消防庁の発表は、各市町村の報告を都道府県がまとめ、これを集約したもの。その各市町村は、警察の発表を基にはしているが、それとは別に届けられる死亡届の書類や独自の集計も含んでいる。ここで行政と警察との判断の違いが生まれる場合もある。例えば埼玉県では1名がショック死と発表しているが、同県警は「地震との因果関係が明確ではない」として災害死には含んでいない。

2ヶ月以上が経った現在(2011年5月時点)でも、依然として捜索活動は続いている。それに伴い不整合なままの警察庁と消防庁による発表も続く。やがて捜索活動に区切りが付けられると、街の復興も本格的になるだろう。同時に自治体による災害弔慰金や災害援護資金、義援金の申請手続きが始まっていく。

この申請に伴う精査の過程において、災害による死者が認定されるとともに負傷者の数も確定していくことになる。そのように再確認された自治体からの報告が、総務省に集計されていく。そのデータが最終的に内閣府が発行する『防災白書』にまとめられ閣議了解を経ると、それがこの災害の正式な報告となる。

    死者数 - 関連死

東日本大震災における震災関連死者とは、「東日本大震災による負傷の悪化等により亡くなられた方で、災害弔慰金の支給等に関する法律に基づき、当該災害弔慰金の支給対象となった方」のこと(2012/4 復興庁)。

復興庁は2012年4月、これまで集計・発表をしてこなかった震災関連死者を初めて公式発表した。これは各都道府県を通じて市区町村に照会して得た回答をまとめたもので、これにより震災関連死が1都9県で出たことが確認された。[s5]

なお災害による死者である直接死は、死亡が確認された場所で集計する被災地主義を採るが、関連死の場合は住民票を置いていた自治体で審査の申請を行うため、必ずしも被災して死亡した場所と一致しない[s6]

一方、総務省消防庁、警察庁などの東日本大震災の被害統計発表の中では、現在のところ人的被害の数値には含まれていない。(2012年4月現在)

平野達男復興大臣は2012年5月11日の記者会見で、震災関連死の認定数を1,632人に修正したと発表した。

  • 関連死者数(2012年3月31日時点) 

  • 県 : 震災関連死の死者数
  • 岩手県 : 193人
  • 宮城県 : 636人
  • 山形県 : 1人
  • 福島県 : 761人
  • 茨城県 : 32人
  • 埼玉県 : 1人
  • 千葉県 : 3人
  • 東京都 : 1人
  • 神奈川県 : 1人
  • 長野県 : 3人
  • 合計 : 1,632人

#復興庁,2012年5月11日

災害関連死は、1995年の阪神・淡路大震災で初めて表出した概念とシステム。1995年当時の消防庁の説明では、「災害発生後疾病により死亡した者の内、その疾病の発生原因や疾病を著しく悪化させた事について、災害と相当の因果関係があるとして関係市町で災害による死者とした者」というもので、災害弔慰金支給対象追加認定の死者のことである。その後の災害時においても、関連死が考慮されるようになった。

この関連死認定基準に際しては、国の法律や通達などでの統一基準はない。遺族が各自治体に認定審査の申請を行うと、役所内に医師、弁護士などで構成される災害弔慰金給付審査委員会(略・審査会)が設置され、非公開の審査の中で個別に判断が行われる。

災害弔慰金給付審査委員会

福島県では双葉郡の8町村により、合同で審査会が立ち上げられた。審査会の委員構成は、医師3人、弁護士2人、民生委員、保護司各1人の計7人となっている。双葉地方町村会によると、関連死者は少なくとも400人に上るとみられている。(2011/08/13 福島民報) [s4]

神戸新聞社の調べによると、審査会を設置または設置を予定しているのは、被災東北3県内の40の自治体であるという(岩手県7、宮城県19、福島県14)。一方で自治体職員が独自に審査をした自治体が、5市町あった。(2011/09/11 神戸新聞)[s2]

朝日新聞の調べによると、今回の東日本大震災では10月までに単独で審査会を設置したのは8市町だった。岩手県と宮城県は、独自に審査委員会を設置するのが困難な自治体のために審査会を設置し、設置が困難な県内市町から審査を受託する方針を決めたという。(2011/10/17 朝日新聞)[s1]

各報道機関による取材

2012年4月に復興庁が震災関連死についての統計を発表するまでは、地方公共団体や公的機関において公式な発表や統計は行われてこなかった。そのため各報道機関が独自に取材した被災県内の医療機関において関連死と疑われる死亡者の情報や遺族が各自治体や審査会へ災害弔慰金認定申請した数などが断片的・恣意的に報道されるだけで、その全容は明らかになっていなかった。

NHKが被災東北3県の2次救急病院と沿岸部にある病院の241か所へ取材したところによると、地震後に震災の影響で亡くなった方は、524人(宮城347人、福島123人、岩手54人)に上った。その内65歳以上が、全体の90%近くを占めた。ただしこの数字は審査委員会で審査されたものではないため、あくまでも「疑い」の数であり、そのまま全てが関連死に認定されるものではない。(2011/05/13 NHK)

共同通信が各市町村へ取材したところ、7月までに関連死と認定され、災害弔慰金が支給されたのは3市町の33人。被災東北3県(岩手、宮城、福島)で審査対象となった人は、約570人に上った。(2011/07/23 共同通信)

神戸新聞社の調べによると、被災東北3県で関連死者の可能性があるとの申請があった分は、およそ850人で、正式に認定されたのは110人だった。(2011/09/11 神戸新聞)[s2]

朝日新聞の調べによると、被災東北3県では関連死の申請が40市町村に計1291件(宮城635件、福島517件、岩手139件)あり、このうち認定されたのが18市町村の163件だった。しかし申請の却下は12件だけで、多くは審査の手続きに手間取っているようだ。(2011/10/17 朝日新聞)[s1]

茨城県では、関連死が11月までの間で、5人が認定されている。(2011/11/08 茨城新聞)

讀賣新聞が青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉6県の各市町村に問い合わせたところ、10月末時点で認定の申請が1184件に上り、その内451人が認定された。(2011/11/18 讀賣新聞)[s3]

  • 関連死認定状況(2011年10月末時点) 

  • 県 : 申請、審査済み、認定
  • 岩手県 : 63人、59人、52人
  • 宮城県 : 654人、250人、201人
  • 福島県 : 443人、213人、197人

#讀賣新聞,2011年11月18日

    行方不明

民法の規定により災害では1年以上の経過後、裁判所の失踪宣告により死亡認定が行われる。しかし政府は遺族給付の早期受給のために、死亡認定までの期間を「3か月」に短縮するべく労災保険法などの改正法案を閣議決定。

  • 関連記事

  • [2011/04/10]「不明3か月」で死亡認定へ…遺族年金を早期に - 讀賣新聞
  • [2011/04/26]震災の行方不明者、3カ月で死亡推定に 法案を閣議決定 - 朝日新聞
  • [2011/05/11]震災不明者死亡届、1年待たず受理へ…政府方針 - 讀賣新聞

    不明遺体身元確認

    障害者の死者

約230人が死亡、または行方不明となっている。2011年5月23日の内閣府による第32回障がい者制度改革推進会議において報告された(2011年5月23日 朝日新聞)。

  • 関連記事

  • [2011/05/23]震災犠牲者、障害者は2倍 死亡・不明2%、内閣府推計 - 朝日新聞[72]

    震災孤児・震災遺児

震災遺児とは、震災によって親を亡くした子ども(18歳未満の未成年者)のこと。また震災孤児とは、遺児の中で両親共に亡くした子どものこと。

交通遺児、災害遺児、病気遺児などの遺児支援を行うあしなが育英会は、東日本大震災で同団体初の試みとして、震災遺児への「特別一時金」支給を行っている。未就学児10万円、小中学生20万円、高校生30万円、大学・専門学校・大学院生は40万円を支給するという内容。この申請資料により、震災遺児の実態や数字などの詳細が明らかになった。(あしなが育英会 2011年6月27日)[92]

阪神・淡路大震災の時は、職員や学生らが個別に訪問するという震災遺児捜しローラー調査が行われ、その実態が判明した。しかし今回の東日本大震災では被災地の広さや全国各地への被災者の離散などもあり、震災遺児の実態把握が困難であったため、当初はこうした支援金の支給などの自己申告による調査しか行えなかった。そのため、あしなが育英会も「少なくとも千人以上になるのではないか」との見方を示した(2011/4/28 共同通信)。

厚生労働省も独自に集計をしており、一部報道では102人という数字も出てきてはいるが、依然として全容は不明のままとなっている(2011/4/18 ガジェット通信)。

毎日新聞の取材によると、震災孤児は被災3県(岩手県、宮城県、福島県)で132人に上ることが確認できた(2011/5/5 毎日新聞)。同社が独自に各被災自治体に取材したもので、それぞれの孤児は県内外の親戚に保護されているケースがほとんどだという。

ただ各自治体とも全てを把握しきれているわけではないことや、両親のどちらかを亡くした遺児の数も含めた数字はまだ未確認で、そうした例を含めるとその数は大幅に増加すると見られている。

厚生労働省によると、震災孤児が被災3県で少なくとも計184人に上ることが判った。岩手県内で82人、宮城県内で84人、福島県内で18人(2011年5月28日 朝日新聞)。

毎日新聞の取材よると、震災遺児は被災3県(岩手県、宮城県、福島県)で240人となることが確定したことが分かった。またこのうち約6割の遺児の保護者が、国や行政から支援を受けられる「親族里親制度」「養育里親制度」を利用しているという。(2012/1/17 毎日新聞)。

  • 震災遺児数・被災3県(岩手県、宮城県、福島県) 

  • 岩手県 : 93人
  • 宮城県 : 126人
  • 福島県 : 21人
  • 合 計  : 240人

#毎日新聞調べ(2012/1/17)

  • 特別一時金の申し込み状況(5月30日現在) 

  • 就学前 : 136人 b[89人] a[62人]
  • 小学生 : 337人 b[204人] a[160人]
  • 中学生 : 236人 b[159人] a[113人]
  • 高校生 : 251人 b[185人] a[135人]
  • 大学生・専門学校生 : 141人 b[140人] a[110人]
  • 不 明  :    a[1人]
  • 合 計  : 1,101人 b[777人] a[581人]
  • 特別一時金申請内訳(5月30日現在) 

  • 父が死亡・行方不明 : 632人 b[428人] a[337人]
  • 母が死亡・行方不明 : 394人 b[226人] a[153人]
  • 両親が死亡・行方不明(震災孤児) : 75人 b[63人] a[54人]
  • 被災者不明 :  b[60人] a[37人]
  • 合 計  : 1,101人 b[777人] a[581人]

#あしなが育英会調べ(2011年5月30日現在)

#[ ]内は※a(2011年4月28日)※b(2011年5月20日)の数値

  • 震災孤児 

  • 両親が死亡・行方不明 : 75人(あしなが育英会 2011年5月30日)
  • 両親が死亡・行方不明 : 132人(毎日新聞 2011年5月5日)
  • 両親が死亡・行方不明 : 201人(厚生労働省調べ 朝日新聞 2011年6月6日)

    帰宅困難者

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