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東日本大震災福島原発事故 暫定値

  • ここに掲載しているほとんどの情報は、確定値ではなく調査時点の情報です。それぞれ日々更新されているため、最新の正確なデータは、各出典元の機関やリンク先で確認下さい。
  • 原発・自動停止号機数
  • 原子力災害特措法第15条通報
  • 使用済燃料プール水温度上昇
  • 警戒区域
  • 計画的避難区域
  •  
  • 緊急時避難準備区域
  •  
  •  
  • 特定避難勧奨地点
  •  
  • 10基[42]
  • 3機(原子力災害対策特別措置法)[42]
  • 1機[42]
  • 福島第一原子力発電所20km圏域[85]
  • 福島県葛尾村、浪江町、飯舘村、川俣町の一部、南相馬市の一部のうち、福島第一原発から半径20km圏外の地域[65]
  • 福島県広野町、楢葉町、川内村、田村市の一部、南相馬市の一部のうち、福島第一原発から半径20km圏外の地域(2011年9月30日解除)[65]
  • 事故発生後1年間の積算線量が20mSvを超える地点が、地域の一部に存在(除染が容易でない住居の単位)[84]

解説

    参考・調査データ

  • 被災地の被災前データ

  • 東北地方太平洋沖地震・東日本大震災関連の標高・等高線・人口等の地図・GISデータ - 埼玉大学教育学部人文地理学 谷謙二研究室:津波・原発被災地域の人口(2005年)津波・原発被災地域の2005年人口地図と人口数推計
  • 東日本大震災関連の資料 - アトラクターズ・ラボ:東北3県の太平洋沿岸市町村の「人口・世帯数集計、年齢構成」、「停電戸数と一般世帯数に対する比率」、太平洋沿岸「1km圏内の人口・世帯数集、1・3・5km圏内の人口・世帯数比較、1Km圏内の大型商業施設」、「東京電力福島第1原発の20km・第2原発の10km圏内市町村の総人口と世帯数集計」、「資料7: 津波による被害推計の算出結果(3/15発表)、資料8: 岩手・宮城・福島3県の太平洋沿岸」、福島第一原子力発電所「各距離圏別居住者分析、各距離圏別町丁字の明細」

    東京電力 福島第一原子力発電所事故

福島第一原発内部映像 No4 青山繁晴氏撮影(5月12日) - 産経新聞チャンネル
地震発生時の被災地の原発稼働状況

自動停止号機:東京電力(株)福島第一原子力発電所(福島県双葉郡大熊町及び双葉町)1号機 〜3号機、東京電力(株)福島第二原子力発電所(福島県双葉郡楢葉町及び富岡町)1号機 〜4号機、東北電力(株)女川原子力発電所(宮城県牡鹿郡女川町、石巻市)1号機 〜3号機

(福島第一原子力発電所4号機 〜6号機は定期点検中で停止中)

  • 原子力災害対策特別措置法第15条通報日時 
    (非常用炉心冷却装置注水不能)

  • 福島第一原発1号機 : 3月11日 16:36
  • 福島第一原発2号機 : 3月11日 16:36
  • 福島第一原発3号機 : 3月13日 05:10
福島原発事故の概要

福島県双葉郡大熊町及び双葉町にある東京電力(株)福島第一原子力発電所は、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震とその津波により大きく損傷し、大規模な放射能漏れ事故を起こした。

1〜3号機の原子炉と4号機の使用済み核燃料の冷却機能の全てを喪失した後、原子炉内でメルトダウンが発生、水素爆発で原子炉建屋が崩壊と次々に事態は変容。ついには放射性物質が大気中と海洋に大量に拡散するという最悪の結果に到った。

原発事故による直接の人的被害はなかったが、構内での津波により福島原発の作業員が亡くなった。またその後の収束作業時においても労災で作業員が亡くなっている。周辺住民は着の身着のままでの避難を余儀なくされ、長期に及ぶ避難・移住生活を送っている。

【詳細:東日本大震災 県外避難者

これらの事故の経緯や事故収束に向けた最新の進捗状況や検証は、経済産業省や東京電力による公式のリリースを参照のこと。

原発事故と放射性物質の拡散、汚染、除染などの概要については、国立国会図書館調査及び立法考査局が作成したレポート『調査と情報-Issue Brief-』が参考になる[n3]

原発事故について、さらに専門的な検証や報告が必要な場合は、国内外の国や民間の各組織により作成されている事故調査検証委員会の調査・検証や報告を参照のこと。

【詳細:東日本大震災 福島原発事故「事故調査検証委員会」

    東京電力福島原発・事故調査検証委員会

東京電力株式会社の福島第一原子力発電所事故について、国や民間の各機関・組織により事故と被害の原因究明の調査・検証を行う委員会や調査団、プロジェクトが組織・設置されており、報告書やレポートが作成されている。

政府による調査委員会

東電福島原発事故調査・検証委員会(通称:政府事故調)
(委員長:畑村洋太郎 東京大学名誉教授・工学院大学教授)

閣議により内閣官房に設置された、政府による検証委員会。被害の拡大と再発防止のために政策提言を行うことを目的とする。事故原因の解明が主で、個人への責任追及は行わない。2011年12月26日に「中間報告」を提出。2012年7月23日、『最終報告』を野田内閣総理大臣に提出した。

国会による調査委員会

国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(通称:国会事故調)
(委員長:黒川清 東京大学名誉教授、元日本学術会議会長)

国会による検証委員会。東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法(2011年10月7日に制定)に基づき、国会に設置された。委員会は民間の有識者で組織されたもので、上部機関として設置された衆参議員による両院合同特別協議会において人選された。関係者を参考人招致でき、協議会は国政調査権を行使して証人喚問も行えるため、個人への責任も追及できる。2012年7月5日、『最終報告』を衆議院・参議院議長に提出した。

民間による調査委員会

FUKUSHIMAプロジェクト委員会
(代表発起人 水野博之 大阪電気通信大学副理事長,広島県産業科学技術研究所所長)

民間による調査レポート・プロジェクト。調査主体が主導者・資金提供者の意向や市場原理から免れるべく、活動資金の一部とレポート発行の費用全部を一般の賛同者から寄付金を募りプロジェクトの活動をまかなった。委員は無給で活動を進め、完全に第三者の立場から冷静に事故を調査し、教訓を一つの提言として広く提示する。2012年1月、レポートは書籍として発行された。

FUKUSHIMAレポート〜原発事故の本質〜
FUKUSHIMAプロジェクト委員会
日経BPコンサルティング

福島原発事故独立検証委員会(通称:民間事故調)
(委員長・北澤宏一 前科学技術振興機構理事長)

政府や電力会社及び検証委員会支援の寄付者からも独立した民間による検証委員会。政府や国会・東電だけでなく、それらの事故検証委員会とは相補的に独立して多面的な独自調査を行うことを目指し組織された。民間出身で原子力事業推進側に直接の利害を持たない構成員によって組織されている。2012年2月28日、独自に検証を行った報告書を発表した。

福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書
福島原発事故独立検証委員会
ディスカヴァー・トゥエンティワン
福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)記者発表(2012年2月28日)
国際機関による調査

東日本大震災および津波による福島第一原子力発電所の事故に関するIAEA国際専門家調査団(略称・IAEA調査団)
(チーム・リーダー・WEIGHTMAN, Michael)

国際原子力機関(IAEA:International Atomic Energy Agency)による専門家調査団。事故の教訓を特定し国際社会と共有、それらをグローバルな原子力安全組織構造に取り込むための報告を行うために組織された。専門家調査団は2011年5月24日〜6月2日にかけて来日し、東京、福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所および東海第二原子力発電所で現状調査団による調査を行った。調査結果は2011年6月20日〜24日にIAEA 本部(オーストリア・ウィーン)で開催されたIAEAの原子力安全に関する閣僚会議で報告された。

東京電力による調査委員会

福島原子力事故調査委員会
(委員長:山崎雅男 東京電力株式会社代表取締役副社長)

原子力発電所事故の当事者である東京電力による社内事故調査・検証委員会。同時に同委員会で取りまとめた調査結果についての諮問機関として、社外有識者で構成する「原子力安全・品質保証会議 事故調査検証委員会」(委員長:矢川元基 東京大学名誉教授)を設置する。原発運転員ら250人以上の聞き取りを行った。2011年12月2日、中間報告書をリリース。2012年6月20日、『福島原子力事故調査報告書』を発表した。

NGOによる調査

『福島第一原発事故の教訓――原子力行政の制度的欠陥』(Lessons from Fukushima)
(グリーンピース・インターナショナル)

オランダに本部がある国際環境NGOグリーンピースによる調査レポート。デビッド・ボワレー(フランス・放射線研究所アクロ、原子物理学者)、デビッド・マクニール(『クロニクル・オブ・ハイヤー・エデュケーション』誌日本特派員、博士)、アーニー・ガンダーセン(フェアウィンズ・アソシエイツ、原子力エンジニア)による執筆。2012年2月28日に発表された。

学術機関による報告

Technical Lessons Learned from the Fukushima-Daichii Accident and Possible Corrective Actions for the Nuclear Industry:An Initial Evaluation

マサチューセッツ工科大学 (MIT) 原子力理工学部(NSE:Nuclear Science and Engineering at MIT)による報告(英語)。2011年7月26日発表。

議事内容の記録

原子力災害対策本部等の議事内容

福島原発事故発生の後、原子力災害対策本部及び政府・東京電力統合対策室(旧:福島原子力発電所事故対策 統合本部設置)が設置されたが、これらの会議の議事録が作成されていなかったことが判明する。それを受け2012年1月24日、経済産業大臣は原子力安全・保安院長に対し、公文書管理法に基づき文書の整備・公開を行うように指示を出した。関係者による議事メモ、大臣用発言要領、出席者への確認により議事概要案を整備。2012年3月、公表された。

2012 FOIAs Related to Japan's Emergency

事故発生直後、アメリカ原子力規制委員会(NRC:The Nuclear Regulatory Commission)のメリーランド州ロックビルのNRC緊急時対応センターと日本駐在員が交わした通話、議事録、Eメールなどの連絡記録。米『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙やAP通信などの複数機関がアメリカの情報公開法FOIAに基づき開示請求をしたもの。NRCの報告により、米政府は在日米人に対し福島原発の50マイル(約80キロ)以内に避難勧告を出した事などのやりとりが残された、10日間3000ページにものぼる記録。2012年2月、公表された。

その他の機関による報告

“FUKUSHIMA DAIICHI: ANS Committee Report”

アメリカ原子力学会(ANS:American Nuclear Society)の東京電力福島第一原子力発電所事故に関する特別委員会による報告書(英語)。約1年にわたる独自の情報収集、分析評価を取りまとめたレポート、課題と提言。2012年3月8日に配信された。

"Special Report on the Nuclear Accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station"

アメリカの非営利法人、原子力発電運転協会(INPO:The Institute of Nuclear Power Operations)による調査レポート(英語)。アメリカの原子力の専門家によりまとめられ、原子力産業幹部、原子力規制委員会(NRC)と議会のメンバーに報告された。2011年11月11日に配信された。

"Can nuclear power survive Fukushima?"

スイスの金融機関UBSが、投資家の立場から原発事故を分析したレポート(英語)。2011年4月に配信された。

Fukushima, one year later

フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN:Institute de Radioprotection et de Sûreté Nucléaire)がリリースしたニュースマガジンの報告書。2012年3月9日に配信された。

“Lessons Fukushima 11032011”

スイス連邦 原子力安全検査局(ENSI:Eidgenössisches Nuklearsicherheitsinspektorat/(E) Swiss Federal Nuclear Safety Inspectorate)の東京電力福島第一原子力発電所事故に関する報告書『フクシマの教訓』(ドイツ語)。福島の事故を受け20年後の脱原発を決定したスイス政府が、停止までの期間を運転する上での福島の教訓をまとめたもの。2011年10月29日に公表された。

"후쿠시마 그 후 1년"

韓国原子力安全技術院(KINS)がリリースした報告書『福島その後1年』(韓国語)。放射線規制専門家を中心にしたタスクフォースチーム(チーム長:放射線安全規制PM イ·ジェソン)による福島レポート。2012年3月8日に配信された。

事故調の設置予定組織

2012年3月19日、日本原子力学会(田中知会長)は福井大学で開催された日本原子力学会において、独自の事故調査報告書を6月末にも作成することを決定したという。毎日新聞によると「参加者から『学会として科学的な事故分析をまとめていないのは志が低すぎる』と批判が出たため」だという[n1]

福島原発事故について学会内の原子力安全調査専門委員会が検証作業を進め、7月をめどに報告書を発表する予定。また福島第1原発事故と原子力災害に関する調査委員会(仮称)を設立し、技術的な調査・分析の報告書を来年末までにまとめる[n4]

米国科学アカデミー(NAS:National Academy of Sciences)は、米国議会の要請により独自の事故調査委員会(委員長:ケビン・クローリー 米国科学アカデミー原子力放射線研究委員会責任者)を設置したという。日本の各事故調報告や研究者とも協力しながら、2年間をかけて調査を行っていくという[n2]

  • 関連記事・事故調設置予定

  • [2012/03/19]原子力学会:福島原発事故、独自調査へ「志低い」批判で(毎日新聞)[n1]
  • [2012/04/10]福島第1原発:独自の事故調設置…米科学アカデミー(毎日新聞)[n2]
  • [2012/06/16]原子力学会が事故調設置へ=福島原発、技術的に分析(時事通信)[n4]
福島原発事故はなぜ起きたか
井野博満 後藤政志 瀬川嘉之
藤原書店
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