阪神・淡路大震災で失われたモノ、残されたモノ、生まれたモノ…そんな記憶を記録します。

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青池憲司コラム

石巻撮影報告・9/2
2学期がはじまる

宮城県石巻市 ◉ 2011年9月2日
東日本大震災

text by 青池憲司

2011.9.4  up
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門脇小学校 (宮城県石巻市・門脇中学校 2011年8月) Photo:青池組
門脇小学校 (宮城県石巻市・門脇中学校 2011年9月) Photo:青池組

2学期がはじまる

石巻市の小中学校では、8月22日に第2学期がはじまりました。最初の1週間は運動会の練習に終始して、レギュラーの授業は殆どありませんでした。27日に、門脇小児童・門脇中生徒・体育館で生活する避難者合同の大運動会がありました。そして、火曜日(8/30)から教室がふだんにもどりました。

5年生の「国語」で<パネル討論をしよう>という授業がスタートしました。みんなが自分の関心事を出し合った結果、「南浜・門脇をどんな町にしていきたいか」というテーマで議論することになりました。南浜町と門脇町は、これまでもおつたえしているように、こどもたちの多くが住んでいたまちであり、門小の学校区です。住居の9割以上が津波で流されてしまいました。

*高い堤防をつくり、避難路もきちんとして、人が住むまちにする。
*大きな堤防をつくるだけでなく、自然とふれ合える場所にする。
*津波と火災の被害に遭った門脇小学校を現状のまま保存し復興記念公園をつくる。
*遊園地やスポーツ施設をつくる。

5年生の「復興まちづくり計画」は、以前報告した3年生の「よみがえれ石巻アイディア」が空想的であるのにくらべて、より現実的ですが、ともに授業はたのしく進行中であり、わたしは、その展開のプロセスを興味ぶかくキャメラに写しとっています。

一方、石巻市はきのう、建築制限区域となっている南浜町など市内約450haを、「被災市街地復興推進地域」(市街地再生に向けての基盤整備が補助金などで優遇される措置)に決めました。期間は9月12日から2013年3月11日まで。建築制限区域を市内の西部、中部、東部の3区域に分け、区画整理や防災拠点施設整備などの事業を行ない、その間の地域内の建築は、復興計画の土地利用に影響を及ぼさない範囲で簡易な建物(木造もしくは鉄骨2階以下、敷地300平方メートル未満)の建設に限り認められます。

台風12号、みなさんの地ではいかがでしょうか?当地でも多大の影響があって、難儀な天気がつづいています。明日は少年野球の大会があり、「門小ガッツ」が出場します。天気になるように応援してください。

門脇小学校 (宮城県石巻市・門脇中学校 2011年8月) Photo:青池組
門脇小学校 (宮城県石巻市・門脇中学校 2011年9月) Photo:青池組

#文中に登場する名称・データ等は、初出当時の情況に基づいています。

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青池憲司

ドキュメンタリー映画監督。震災後、親交のあった長田区の野田北部・鷹取地区に入る。"野田北部を記録する会"を組織し5年間に渡りまちと住民の再生の日々を映像で記録。
「記憶のための連作『野田北部・鷹取の人びと』全14部」(1995年〜99年,山形国際ドキュメンタリー映画祭正式招待作品)を発表、国内外で上映。2002年「日本建築学会文化賞」受賞。

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